応用情報技術者試験に合格するために必要なことを述べてきましたが、最後は試験の本番のことについてお話ししたいと思います。
試験の本番は緊張しがちですが、今までしっかり勉強してきた場合は、自分を信じて試験に立ち向かうことも大切です。
自分を信じて最後の砦をうまく乗り越えられるよう、試験本番で気を付けたいことや対策方法をお話ししますので、ぜひ試験の本番を受けるための参考にしていただければと思います。
応用情報技術者試験の本番で気を付けること
まず、応用情報技術者試験に合格するために気を付けること、これはただ一つで問題文をよく読んで理解してから答えることです。
問題文を読み違えて間違った選択肢を選択したり、問題文の趣旨に合っていない答えを解答してしまうことは減点の対象となり、もったいないです。
なので、問題文をしっかり読んでケアレスミスをしないように注意してください。
そして、緊張しすぎることも問題です。
試験の前に気分転換をして、心を落ち着かせましょう。
深呼吸を繰り返すだけでもだいぶ違います。
トイレは試験の直前に済ましておきましょう。
そして、午後の試験の前はしっかりと頭を休ませておくことです。
午後の問題は午前の問題以上に頭を使うため、自分は問題を解き終えた後はかなり頭が疲れてしまいました。
覚えている知識の確認をすることも重要ですが、それ以上に150分という長丁場の試験で頭が最後まで働く状態であることの方が重要です。
問題文の内容が頭に入って来ない、解答のし方をど忘れした、などのことが起こらないようにきちんと午後の試験が始まる前は頭をきちんと休ませておきましょう。
午前問題の対策
午前問題はすべてが新しい問題で構成されているということはなく、ある程度過去に出題された問題がそのまま、もしくは少し改変されて出題される問題も多いです。
これらの問題は絶対に落としてはならない問題で、正解してきちんと得点を稼ぐ必要があります。
ここで活きてくるのが過去問題を解いたことです。
過去問題を解くことで対策できているので解き方も分かりますし、正解の選択肢も選びやすいと思います。
そして、過去問にはないが教科書に書いてある知識を使うときちんと解ける問題。
これはケアレスミスをせずに正答を導き出して得点源としたい問題です。
特にセキュリティの問題の正答率で差がつきやすいので、セキュリティに関しては教科書に載っている内容を問う問題はきちんと正解しておくこと。
出来ればIPAが発信しているセキュリティ情報も目を通しておくこと。
それ以外の分野でも、教科書に載っている内容を問う問題はきちんと正答を導き出しておくこと。
ここまでで、午前問題のボーダーラインを超える得点を稼ぐことが出来ます。
そして、厄介なのが新傾向の問題であり、教科書にも載っていないような問題。
これに関してはどうしようもありません。
1割くらいしか出題されないのがせめてもの救いでしょうか?
情報技術に関してどれだけアンテナを張っているかを問うていると思うのですが、これをカバーするのは相当大変です。
なので、多くの人にとって知らないことを問うている問題となり、ここを不正解にしても特に問題はありません。
対策方法としては消去法で明らかに違う選択肢を消しつつ、残った選択肢からそれらしいのを選んでいくしかありません。
ただ、この手の問題は英語が得意だと正答しやすいものもあります。
カタカナ用語についてどんなものかを問われた場合は英語を日本語に変換して解答するとうまく行ったりします。
これらの問題は特に対策の必要はなく、午前問題でボーダーを超えるためには特に不正解であっても構わない問題なので、分からないことで頭が真っ白になるのではなく、問題を適当にやり過ごして正解するべき問題に集中することが大切です。
以上をきちんと本番の試験でやることが出来れば午前の問題の60点のボーダーを超えることは出来ると思います。
午後問題の対策
午後問題は情報セキュリティの問題が必須で残りの10問から4問を選択して解答することになります。
午後問題は午前の問題のように過去問がそのまま出題されることはなく、毎回異なったテーマの問題が出題されます。
午後問題の構成は以下のようになります。
1.情報セキュリティ
必須の問題。難題が出されることがあるが、基本的なセキュリティの知識があれば解ける問題も多い。
問題文をよく読んで見当違いの回答をしなければそこそこの高得点が期待できる。
2.経営戦略
経営に関する問題が出される。
基本的にSEやPGには無縁の知識を問われるため、フリーランスやITコンサル、役員など、経営知識がある人や経営の経験がない人ではない限り選ぶ理由がない。
3.プログラミング
プログラミングに関する問題が出題される。
プログラム言語は疑似言語であることが多く、純粋にプログラミング力を試される問題。
プログラミング経験者は満点が取れることが珍しくなく、得点源としたい問題。
4.システムアーキテクチャ
システム開発でプログラム以外の環境面のことを問う問題。
ミドルウェアやAPIなど、環境面の知識を問う問題が多い。
難問が出題されることもあるが、環境設定を経験しているSEにとっては比較的点を取りやすいので、解答する問題の選択肢の一つとして意識しておいた方がいい。
5.ネットワーク
IPのルーティングや機器構成など、ネットワーク系全般の知識が問われる問題。
ネットワークエンジニアにとっては稼ぎになる問題。
ただ、ネットワークの基礎知識がしっかりしていれば高得点を取れる問題になっていることもあるので、解答する問題の選択肢の一つとして意識しておいた方がいい。
6.データベース
ER図やクエリに関する問題が多い。
正規化が問われることもある。
難問が出題されることもあるが、データベースの知識がしっかりしていれば高得点を狙いやすい問題が多く、場合によっては満点も狙える。
SE、PGには狙い目となる問題。
7.組込みシステム開発
計算を求められる問題が出題されることが多い。
問題文をよく読み、計算ミスによる誤答をしないように注意が必要。
難問の場合もあるが、比較的得点を取りやすい問題が出ることもあるため、解答する問題の選択肢の一つとして意識しておいた方がいい。
8.情報システム開発
システム開発手法について問われることが多い。
システム開発に関する周辺知識も問われる。
SE、PGに有利な問題であることも多く、知らない知識を問う問題ではない限りは解答する問題の選択肢の一つとして意識しておいた方がいい。
9.プロジェクトマネジメント
プロジェクトマネジメントに関する知識が問われる。
教科書の知識だけでは不足することが多く、難問が出題されることも多い。
プロジェクトマネジメント経験者でも苦労しそうな問題もあるため、解答する選択肢から除外した方がいい。
10.情報サービスマネジメント
情報サービスに関する知識が問われる。
サポートデスクや情報システム部門で勤務していると有利かもしれない。
解答できそうだったら選択肢の一つに入れる程度。
11.システム監査
システム監査に関する問題が出される。
システム監査が行われている会社の社員やシステム監査の担当者に有利な問題。
文章をよく読めば高得点が期待できる場合と、難問になっていてあまり得点できない場合がある。
解答できそうであれば選択肢の一つに入れる程度でいい。
SE、PGが午後問題を回答する場合は設問1、3、6を中心に、他の2問を問題文をざっと読んで解けそうなものから解くという形式になるかと思います。
実務経験がないと厳しい問題が出されることも多いですが、1,3,6で大体45点以上稼いでおけば、残りが難問でも60点以上に滑り込むことが可能です。
午後問題は文章問題であるため、重要なキーワードに線を引きながら解くという方法が良く紹介されています。
この方法は効率よく問題を解くのに役に立つので、過去問を解いてみて時間が足りないことが多い場合は、線引きを試してみてください。
また、文章記述問題も厄介(しかも配点が高い)ですが、文章記述問題の攻略法は問題文の趣旨をきちんと理解して自分の言葉で表現することに尽きます。
雑に文章を読まずにしっかりと問題文の趣旨や図を理解できるよう、トレーニングしておくといいでしょう。
応用情報技術者試験に合格したあと、高度情報技術者試験に挑むべきか?
高度情報技術者試験ですが、個人的にSE、PGで働く上ではオーバースペックになるため、あまり高度情報技術者試験を目指すことはお勧めしていません。
実務経験を前提としている試験が多く、小論文形式の問題を取り扱っているものもあり、文章を書く力がないと全く歯が立たないものも多いからです。
しかし、高度なセキュリティを求められる開発案件は最近増えていますので、情報処理安全確保支援士の試験は受ける価値がそこそこあると思っています。
応用情報技術者試験よりもさらに難易度が上がり、ついていけない人も出てくるため万人にお勧めできませんが、2023年より午後の試験が1つに統合されましたので、頭の負担が以前よりも少なくて済むようになっています。
取り扱い内容はセキュリティ分野でもマニアックなものが多いですが、セキュリティをしっかりしないといけないシステムを開発する場合は、情報処理安全確保支援士の試験に合格できるくらいの知識があればこうしたらいいという提案がしやすくなるので、余力があれば狙ってみるのもいいのではないでしょうか?
今回の記事はここまでとなります。
また次の記事でお会いしましょう。